税務コラム

2023.06.09

役員報酬はどれぐらいに設定するのがよい?

大阪市の西川一博税理士事務所では、法人・個人の方の税金・経営・資金調達・遺産相続などの幅広いお悩みにお応えしております。

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今回は“役員報酬の設定”について解説いたします。

役員報酬とは?

会社法による株式会社の役員とは、取締役、会計参与、監査役のことであり、役員報酬とは役員に支給される報酬(給与のようなもの)のことを指します。

原則、従業員の給与は全額を損金として計上できますが、役員報酬が損金として認められるのは「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」の3種類のみとなります。

定期同額給与

税務署への届出は不要で、支給額の変動がなく毎月同額が支払われます。

報酬額は原則年に1度(事業年度開始(期首)から3か月以内の時期)だけ変更できます。

事前確定届出給与

役員の賞与に当たるもので、税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出し、届出どおりの支払いを行うことで損金として認められます。

業績連動給与

会社の利益に応じ支払われる役員報酬のことで、定期同額給与や事前確定届出給与とは異なり、金額は前以て決められていません。

役員報酬の決め方と注意点

役員報酬は定款または株主総会の決議によって決定されます。

役員報酬を損金とするための資料として、株主総会や取締役会の議事録が必要となりますので、忘れずに作成し、残しておくようにしましょう。

また、役員報酬の金額を決める時期について、起業1年目であれば会社の設立日から3ヶ月以内に決定する必要があります。

報酬額は事業年度ごとに決めることができますが、一度決定した役員報酬は基本的に1年間変更できないため、年間の売上金額や従業員の給与、家賃などを計算し、資金繰りを予測したうえで決めることが大切です。

さらに、損金となる役員報酬が多ければ法人税の額は少なくなりますが、役員個人が支払う税金や社会保険料は増加することになるため、納税額の面で偏り過ぎないよう注意しましょう。

 

役員報酬を損金(経費)とするためにはルールがあり、また、同業他社に比較して高過ぎると損金計上が認められないなど、金額の設定にも注意が必要な点が多々あります。

役員報酬や会社の事業計画についてお悩みの方は、一度専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。